泉大津病院通信泉大津内科/あいの泉クリニック
意外な相関関係☆
花粉症と風邪っぴきの意外な「相関関係」
● 鼻が詰まると風邪をひきやすくなる理由
花粉症の季節が到来し、鼻づまりで仕事や勉強に集中できず、悩まされている人も多いでしょう。
鼻は、超高性能の空気清浄機であり、加湿器であり、異物除去装置です。冗談ではなく、高価な電化製品の清浄機や加湿器を買うより、「鼻の通りをよくしておくこと」にお金を費やしたほうが、風邪予防としての投資効率は高いでしょう。
鼻の最も重要な機能は「加温」と「加湿」です。
冷たい外気を鼻で吸入すると、のどに流れていく過程で温度30℃前後、湿度90%前後にまで加温・加湿されます。鼻で呼吸すれば、潤いがあり、温かい空気が、のどの奥から肺へ流れていきます。
もう1つの空気の入り口である「口」には、鼻ほどの加温・加湿機能はありません。冷たく乾燥した空気を口から吸い込むと、そのまま直接のどの奥に入りやすく、気管を痛める原因になります。
また、鼻から吸い込まれたゴミやほこり、細菌、ウイルスなどの異物は、鼻の粘膜で産生される粘液と、鼻の奥の内側を覆っている綿毛の運動によって絡みとられ、鼻の奥に運ばれていきます。その結果、たんとして体外に排出されます。
鼻水やたんを飲み込んだ場合は、消化管の中で消化液によって分解されますが、異物を体内に取り込むことになりますから、鼻水やたんは、できる限り飲み込まずに体外に排出しましょう。
鼻粘膜で生産される分泌液の中には「分泌型IgA」という物質が多量に含まれていて、細菌などが細胞の表面に付着するのを防ぎます。さらに、異物、冷気、刺激物質などが鼻粘膜を刺激すると、くしゃみ、鼻汁、鼻粘膜腫脹、声門閉鎖などの反射をひき起こし、のどの奥へ異物が侵入するのを防ぐ働きがあるのです。
つまり、できる限り鼻呼吸を意識し、鼻の保湿機能や異物除去機能を活用することが、風邪予防につながるのです。
鼻の通りが悪いと口呼吸に偏り、のどが渇きやすくなります。のどにウイルスが吸着しやすくなり、風邪ウイルスの侵入を許しやすくなるのです
● 鼻水の色に隠された「風邪のサイン」とは?
鼻水の色や形状、粘り具合を確認すると、体調悪化のシグナルを察知できます。
少々汚い話ですが、私は、鼻をかんだあと、ティッシュに付いている鼻水をつぶさに眺めることを習慣にしています。
鼻水は、透明、白、黄色、緑色と色にバリエーションがあります。色だけでなく、サラサラ系からネチョネチョ系、さらには固形状態まで、形状もさまざまです。
私たちの鼻の中では、毎日1~2リットルもの鼻水が作られます。健康なときの鼻水は、水のように透明でさらさらとしていて、鼻に入った細菌やウイルス、ほこりなどの異物を体外へ押し出す役目を担っています。
白い鼻水は、鼻水の中に風邪の原因となるウイルスや、これらと戦った白血球の死骸が混じることによって発生すると言われています。
白っぽい鼻水(一部、透明な鼻水も)は、風邪のひき始めに出ることが多いですから、仕事をセーブして早めに回復モードに切り替えるサインだと言えるでしょう。
「黄色っぽい鼻水」は、ウイルス、細菌、白血球の死骸が、白っぽい鼻水よりも増加している状態であることが多くなります。
風邪をひくと、白っぽい鼻水から黄色っぽい鼻水へ変化していくことがあるでしょう。黄色い鼻水は、免疫が機能し、ウイルスと戦っているサインと言えます。ここで油断して無理すると、風邪をこじらせて肺炎や気管支炎などの他の病気のきっかけになることがあります。
また、透明な鼻水は、風邪だけでなく、花粉症やアレルギー性鼻炎の可能性も高いでしょう。アレルギー性鼻炎にかかると、鼻の粘膜がアレルギーの物質に反応して鼻水を大量に出します。スギなどの花粉、ハウスダスト、ペットのフケなど原因はさまざまですが、細菌やウイルスではないため、鼻水に色が付いたり粘度が増すことは少ないのです。
また、病原体が鼻の奥の「副鼻腔」という空洞に入って炎症を起こすと、副鼻腔炎(蓄膿症)が発症し、膿(うみ)の混じった黄色~緑色の鼻水が出ることがあります。ドロッとした粘性の強い鼻水が出るのが特徴です。
風邪や花粉症など、気になる症状は、当院にご相談ください。
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